仕事や役割をこなしているときに少しでもサボっているところを誰かに見つかると「油を売ってないで仕事しなさい」と言われることがありますよね。
それは仕事に限らず、勉強やバイトなど、何かしなければならないような時に他のことをしているとこのように怒られてしまいます。
私たちは日頃「油を売る」という言葉について、仕事を怠けることや無駄話をしてしまうという意味で使っていますが、
どうしてこのような表現になっているか調べたことはあるでしょうか。
今回は、「油を売る」の歴史と語源について詳しくご紹介していきたいと思います。
ぜひこの記事を読んで、誰かに教えてあげてください。
1・仕事をしてても「油を売る」歴史は?
そもそも「油を売る」というのは、江戸時代に髪油・行燈油の商売人がお客さんと、
長時間軽い会話を交わしながら油を売っていたことが由来とされている表現になります。
雑談をしながら仕事をしていたということで、怠けているように見えていたかもしれませんが、実はただサボっていたわけではありません。
これは当時の油が現代のようにさらさらとしておらず、どちらかというと粘り気の強い物であったことが関連しているのです。
江戸時代というのは油が量り売りという形で流通していましたが、
油というのはその粘り気から柄杓ですくって容器に移すというのが簡単ではなく、時間を要していました。
そのため、油を移動させている間、商売人は客と会話することで退屈させないように工夫していたのです。
現代人である私たちにとっては油というのは近所のスーパーに行けば既に容器に入ったものが用意されており、
すぐに料理に用いることができるというイメージですよね。
しかし、昔はとても貴重なものであり、貴族や豪族といった上の位の人達しか用いることができないとされていました。
さらに女性の髪油として扱われることが一般的であり、天ぷらのように食用として使用されるということは相当な高級料理だったそう。
こうしたことから、油を売ることを生業にしていた商売人はさぞかし大儲けしたことでしょうね。
ちなみに、中国の「帰殿録」という書物に記された「売油翁」も高校や大学で現代語訳のテストに用いられることがあるそうですが、
これは「油を売る」の語源ではないので注意してください。
ここにも油を売る老人が登場しますが、お話としては弓の名人陳康粛とその老人の会話によって「どんなことでも慣れるとうまくできる」ことを伝えるストーリーになっています。
2・「油を売る」の意味は?
ここで「油を売る」の意味について改めて説明していきます。
「油を売る」とは、仕事や勉強の最中にサボったり怠けたりすることを意味する言葉です。
さらに、現在では寄り道やたばこなど、仕事と関係の無いことをすることも意味するとされています。
日常的に多く使用される表現であり、ほとんどが怠けているように見える人を注意する時に使用されるため、
自身もこの言葉で怒られたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
ただ、日本人同士ではおおよその場合意味が通じますが、例えば外国人や未就学児などの「油を売る」という言葉をそもそもわかっていない人に対して、
この言葉を使って怒ったり注意を促しても全く意味がありませんので注意してくださいね。
3・「油を売る」の語源は?
既述したように「油を売る」という語源は江戸時代の油売りとされていますが、
これは長い時間何か他のことをしているというよりも、一時的に別のことをしているように見える時の状態を指す表現とされています。
昔の油売りの仕事としては朝の11時から夕方16時までに仕事を済ませていた、という話もありますが、
これは夏の暑い時期などに油を売っていると外の気温で膨張することがあり、
朝や夜に売るよりも昼間に活動した方が一升枡に少量しか入れなくてもいっぱいに見える、という科学的な理由に基づいているのです。
なお、類義語として「道草を食う」という言葉がありますが、これは馬という動物が道に生えている植物を食べながらゆっくり進み、
目的地になかなか到着できないという話からきており、目的以外のことを行ったり、時間がかかっている場合に使用されます。
これ以外にも「お門違いなことをする」「不精する」などの言葉もあるので、言い換えのバリエーションを増やしていくといつかどこかで役立つかもしれません。
まとめ
今回は「油を売る」の歴史や語源についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
こうした雑学を知っているだけで日本語を深く理解できるほか、いつか誰かに自分の知識を披露することができるでしょう。
ぜひ色々な言葉の意味だけでなく、どうしてそのような表現になったのかに興味を持ってみてくださいね。
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