友人や家族と話すとき、大体の人はため口で話すのではないでしょうか。
その人と信頼関係を築いているからこそできる話し方ということで、新しい友人関係を作るとき、
最初に「ため口でいいよ」「敬語はやめて」といったことを言われたことのある人や実際に言ったことのある人がいると思います。
しかし、普段から「ため口」と言っているにもかかわらず、どうしてこの言葉になったのかについてはあまり知られていません。
また、同年代をタメともいいます、そこで、今回は「ため口」の意味や由来を紹介していきます。
1・ため口の意味は?
まず、改めて「ため口」の意味について述べておきたいと思います。
「ため口」というのは基本的には相手に対して対等な立場として話すことを指しており、
日本では上司といった上の立場の人には敬語で、同僚や後輩と言った対等あるいは下の立場の人にはこうした話し方を使う人が多いです。
また、年齢や立場に関係なく、家族のようにある程度の関係を持っている人であれば「ため口」が使われます。
実はこの敬語やため口といった文化は主に日本にしかないものであり、海外では誰に対しても同じ言葉遣いが基本になっているようです。
2・ため口の由来は?
それでは「ため口」の由来について説明していきます。
まず、「ため」というのはもともとサイコロのぞろ目を意味すると言われている言葉です。
ぞろ目というのは同じ目が出ることで、「ゾロメ=同じ目=ドウメ=タメ」となった説が有力であり、
起源が博打用語であったため、1960年代からは不良少年を表す隠語「五分五分」とほぼ同じ使い方をされるようになりました。
ここから対等や同じものといった意味も含んでいきます。
また、江戸時代の大阪にあたる地域で丁稚と呼ばれる子供にお駄賃を渡す際、
そのお金のことを「タメ」と呼んだと言う説も存在しており、
番頭が丁稚に向かってこうしたある意味乱暴な言葉遣いをしていたと言うところから派生して「ため口」になったというのです。
ただ、これは信憑性が不確かであるため、数ある説の中のひとつだと思ってもらえるといいかと思います。
3・同年代をタメの意味やいつ頃から?
ちなみに、「ため口」というと不良っぽいイメージを持っている人もいるかもしれません。
海外のように誰にでもフランクな言葉遣いをするのは日本人には抵抗があるというのも昔から言われています。
既述したように、日本では1960年代から「五分五分」と言う言葉が使われだし、
それが広がって同い年の相手に対して使う言葉を「ため口」と変化したそうです。
そこから時を経て、1980年代頃には不良の少年少女たちだけではなく、若者の間全般で使われるようになりました。
2000年代に入るとさらに年齢層が広がり、多くの人に「ため口」は目上の人が年下の人に向かって話す際の言葉だと認識しており、
実際今でもそのように理解して使っている人がほとんどでしょう。
近年はグローバル化といった海外の波が日本にも押し寄せ、
テレビやラジオでも外国人タレントやハーフの人が活躍する様子を目にするようになったのではないでしょうか。
しかし、日本では年齢関係なく初対面の人にいきなり「ため口」で接してしまうと失礼だと思われてしまうことがほとんどです。
特に学生であれば同年代や同級生が多いので気にしない人も多いかと思いますが、
大学生や社会人は気にしないわけにはいきません。自分より年齢が上の人が同じ役職であったり、
大学では留年といった制度もあるので年齢の異なる人がいるのは当たり前のことです。
まとめ
今後は日本でも「ため口」が広まってくるかもしれませんが、
それでも親しき仲にも礼儀ありということで、常に相手を不快にさせていないか考えておくといいでしょう。
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