毎年、必ずやってくる“つゆ”。
“つゆ”が好きな人は、まずいないと思いますが日本に住んでいる以上避けて通れないものです。
でも、その一方で、“つゆ”は夏の始まりに降る雨ですから、それはそれでまちどうしい季節をあらわすものでもあるのでは?
雨季と乾季しかない他のアジア地域にくらべれば、季節感を体感できるものです。
今回はこの“つゆ”について色々調べてみました。
面白い話がでてきそうですね?
梅雨は(つゆ・ばいう)2種類の読み方の違いはなぜ?
ところでこの『梅雨』という熟語には、二つの読み方があります。
「つゆ」と「ばいう」です。
なぜでしょうか? 「つゆ」と読む場合と、「ばいう」と読む場合で、なにかしら違いがあるのでしょうか?
もちろん、読み方としてはどちらも正解なのですが、
ここででてくるのが、音読みか訓読みかのちがいです。
音読みとは中国で使われていた読み方、そして訓読みとは中国から伝来したものに、日本語をあてはめたものです。
ですから、「つゆ」は訓読み、「ばいう」は音読みです。
ところで、はるか昔?にそんなこと習った記憶ありませんか? こんなところで出てくるんですね・・・?
(つゆ・ばいう)使い分けはあるの?
それでは、「つゆ」と「ばいう」に使い分けはあるのでしょうか?
ひとつめは「梅雨」という熟語単体についてです。
この場合は「つゆ」とよんだほうが、しっくりきます。 たとえば、『もうすぐ、「ばいう」の季節になるね?』という使い方はしっくりきませんよね。
不自然な感じです 「つゆ」という読み方は、当時の日本人が作った読み方で やはりこうですよね。
ふたつめは「梅雨」という熟語と、別の言葉が合わさった場合です。
一般的に、梅雨という熟語の前後の言葉が、訓読みのときには「つゆ」と読みます。
梅雨入り(つゆいり)、梅雨明け(つゆあけ)などです。
更に、「梅雨」という熟語の前後の言葉が、御読みのときには「ばいう」 と読みます。
梅雨前線(ばいうぜんせん)という言葉がそうです。
なんか同じ意味でも使い方で変わる、子供に説明するのにも分かってくれるか問題です。
又「黴雨(つゆ)」と書く時とは?
もともと、中国では、黴(かび)の生えやすい時期の雨という意味で『黴雨(ばいう)』と呼ばれていたそうですが、
カビではあまりにも語感が悪いので、同じ「ばい」の読みで季節に合った漢字の「梅」を使って「梅雨(ばいう)」になったという説があります。
その後中国から、この「梅雨(ばいう)」が伝わり江戸時代ころから「つゆ」とよばれるようになったということです。
「日本歳時記」には、『此の月、淫雨ふる。 これを“つゆ(梅雨)”となづく』とあります。
ただし、梅雨(つゆ)の由来については、まだまだ未解明の部分が多く、専門の学者間でも未だ結論は出ていないというのが、正直なところのようです。
海外の雨期(うき)の違いは?
「雨季(うき)」も「梅雨(つゆ)」も天気であらわすと、雨の降っている天気のことを言います。
ただし、「雨季(うき)」は一年間の中で雨が頻繁に降る時期のことを言い、
「梅雨(つゆ)」は一年の中の五月から七月にかけての長雨の降る時期のことを言います。
梅雨が存在する国は比較的に珍しく、日本、中国や朝鮮半島などの東アジア地域にのみ見られる現象です。
海外で言う「雨季(うき)」は国によって異なり、シンガポールなどの東南アジアは10月~3月。
連続的に降りつづくのではなく、突然空が暗くなり、巨大なバケツをひっくり返すような感じです。
一時間もすれば、またカラッと晴れ多少は涼しくなります。
おわりに
初夏の雨が降る時期は、梅の実が熟して潰れる(つぶれる)時期でもあります。
昔は「潰ゆ」と書いて「つゆ」と発音したそうです。
一方、雨の別の呼び方が「露(つゆ)」です。
その結果、露と潰ゆの語呂合わせから梅雨(つゆ)と呼ばれるようになったという説もあるとか。
良くも悪くも言葉同志を“こじつける”のが好きな民族なんですね!
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