よく刑事ドラマなどで「うまいこと口車にのせてやった」「あいつを口車に乗せておびきだした」などと自白するシーンを見ることがあります。
有名な表現であり、日常生活でも時折使われることから聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
しかし、よく考えると口車というのが何を表しているのか不思議に思う時があると思います。
口が車になる、さらにそれに乗る、というのは想像するだけでカオスな状態ですよね。
そういうわけで、今回は「口車に乗る」についてその意味や語源について説明していきたいと思います。
普段は使わないという人でも、いざ使う時に正しい意味を知らないと大変な事態になってしまうことも考えられますので、ぜひ知識として身につけておいてください。
1・口車に乗る意味は?
はじめに「口車に乗る」の意味について説明していきたいと思います。
国語辞典に載っているものとしては「言葉巧みに言われて騙されること。
またはおだてに乗ること」とされており、話し方が上手な人に騙されたり、簡単に信じてしまったりすることを表現しているのです。
つまり、この「口車に乗る」というのは簡単に言うと騙された被害者ということになりますね。
逆に「口車に乗せる」場合は加害者ということですので、使用する場合は自分の立場によって言葉のニュアンスが変わることを意識して使うと良いかもしれません。
2・口車に乗るの語源は?
「口車に乗る」で一番気になるのはやはり「口車」ですよね。
ここからは語源と共に「口車」について詳しく見ていきますが、
結論から言うと「口車」というのは相手をおだてたり、騙したりするといった上手な話し方のことを表しています。
「口先」「言葉巧み」「言葉を飾る」などの類語もありますが、昔から口に関わる表現というのは話し方に関係するものが多いです。
口は生物にとって食物を摂取する時に最初に通ることになる消化器官であり、呼吸や会話に欠かせない重要な器官になっています。
息や言葉というのは普通に暮らしていて見えるものではありませんが、
昔の人達はそういった目に見えないものこそに心や魂と呼ばれるものが宿っていると考えていました。
つまり口というのは生命維持に重要な器官であると同時に神聖なものなのです。
そして、車というのはどんなに重い荷物でも簡単に運んだり動かしたりことができる便利な道具です。
言葉を紡ぎ出す「口」と物を動かすことができる「車」、この2つを合わせて言葉が次々に出てくる様子を「口車」と表したということになります。
3・口車に乗せられるの違いは?
既述しましたが、「口車に乗る」を使用する時に気を付けて欲しいことが自分の立場を明確にすることです。
自分が被害者側なら「口車に乗る」、自分が加害者側なら「口車に乗せる」など、少しの違いでかなりニュアンスが違ってくる言葉なので注意してください。
ちなみに反対の意味を持つ言葉として「一杯食わされる」といった面白い表現があったり、
「馬に乗るとも口車に乗るな」といった少し複雑な表現もあったりするので、気になったことを色々と調べてみるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
今回は「口車に乗る」の意味とその語源について詳しく説明してきましたがいかがでしょうか。
日常生活で使用する言葉も深堀りしていくとその由来には意外なエピソードがあったり、興味深い真実が隠されたりしているので自分から学ぶというのはとても面白いです。
さらに社会人の方にとっては正しい意味や使い方を知っていないといつか取引先などに意図せず不快な思いをさせてしまいかねません。
ぜひ正しい意味と使い方を知って、使うべきタイミングで使うべき対象に向かって使用してください。
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