日常的に使用する「あわよくば」という言葉について、使い方や意味はなんとなく分かるけれどその由来や語源は知らないという人が多いのではないでしょうか。
古くから使われてきた慣用句や熟語の中には調べてみると意外な由来が隠されているものも多く、知っていると使い方や使う場面を意識するようになるのです。
日本人の中にも日本語が上手く使えなかったり、間違った意味で覚えてしまっていたりする人を見かける時がありますね。
せっかく日本に住んでいるのですから、ぜひ正しい意味とその語源を学んでみてください。
1・あわよくば(間よくば)の意味は?
よく耳にするのは「あわよくば、あの人とデートしたい。」「あわよくば、今日は何もせずに済むだろう。」「この勝負で勝って、あわよくば大富豪になりたい。」といった使い方ですよね。
辞書に載っている意味としては「もし都合よくいけば」「もし運が良ければ」
「機会に恵まれれば」といったものがあり、大体の場合その後には願望や予想を意味する文章が続くことが多いです。
類義語としてはいくつかあるのですが、「できれば」「うまくいけば」「叶うなら」などが似たような意味を持っています。
これらは日常生活でよく使われているため、覚えておくといつかどこかで役に立つかもしれませんね。
2・あわよくば(間よくば)の語源は?
もしかしたら「あわよくば」の「あわ」について漢字で表した時に「泡」をイメージする人もいるのではないでしょうか。
しかし、実はそれは間違いであり、このあわは「あわい・あはひ」からきていると言われています。
「あわい・あはひ」というのは漢字で書くと「間」となり、文字通り物と物のあいだや隙間という意味の他、情勢、組み合わせ、人と人の仲、機会といった意味も含まれています。
「あわよくば」というのは「あわいよくば」が変化した言葉であり、さらに「あわいよくば」というのは「あわい良し」から派生した「あわよい」という形容詞がもととなっているのです。
この「あわよい」の意味としては頃合いがちょうどいい、都合がいいというものがあり、状況が良ければ、時間やタイミングが良ければといった使い方で古くから用いられてきました。
現在でも似たような意味で使われていますが、昔よりは幸運に恵まれれば、運が良ければといったニュアンスが強くなっているようです。
3・漢字の「間」の語源は?
ここからは漢字の「間」の由来についてご紹介していきたいと思います。
今でこそ私たちは「間」という文字を使っていますが、実は本来の漢字は「閒」と書き、
門構えの中に月が入っている漢字だったのです。
その語源としては「門を閉じても月の明かりがもれるすきま」のように日本独自の風流を感じる意味が込められていました。
門構えの中がお日さまか月かでこんなにも感じ方が違うのは面白いですよね。
ちなみに、「あわよくば」について文法的に説明するときには「あわよく」と「ば」にわけて考えると理解しやすくなります。
「あわよく」というのは既述したように、形容詞「あわよい」の未然形、そして「ば」というのは仮定条件を示す接続助詞になります。
未然形や仮定条件について何のことだかわからないという人はぜひ学生時代の国語の授業を思い出してみてください。
未然形というのは古文で使用される活用形という文体の1つになります。
漢字からもわかる通り、まだそうでない、という意味になるので未然形と呼ばれているのです。
普段使っている言葉に対して活用形などを考え始めるとどんな言葉でも面白く感じてくるはずです。
まとめ
今回は「あわよくば」という言葉についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
普段自分が何気なく使っている言葉に色々な意味が込められているのはとても面白いことですよね。
日本語にはまだまだ面白い意味や本当は恐ろしい意味の慣用句が存在するので、ぜひ調べてみてください。
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