夏にうなぎを食べる日といえば「土用の丑の日」が伝統となっていますが、でもよく考えてみると、土用の丑の日って何の日なのでしょうか。
土用って土曜と違うの?丑って牛?どうしてうなぎを食べるの?
知っているようで知らない「土用の丑の日」についての疑問を解明していきたいと思います!
7月21日土用の丑の日の歴史は?
土用の丑の日が、真夏の時期ということはわかっていても、それが何月何日か知らない方も多いのではないでしょうか。
暦の上で土用は”立春・立夏・立秋・立冬”の直前の18日間をさします。
そうなると土用の時期は年に4回あることになるのですが、やはり土用の丑の日と言えば夏ですよね。
なので、立夏までの18日間のうち十二支が丑の日を「土用の丑の日」と呼んでいるのです。
7月21日土用の丑の日の由来は?
土用の丑の日といえば夏のイメージが強いですが、実はうなぎの旬って冬。
産卵期を迎え脂肪をたっぷり溜め込んだ寒い季節が、うなぎの一番美味しい時期なのです。
それなのに、夏にうなぎが食べられるようになったのは江戸時代のころからだといわれています。
土用の丑の日にうなぎを食べるという風習が根付く以前は、味が濃くて脂ののったうなぎの蒲焼は、暑い夏の季節にあまり売れなかったそうです。
それに悩んだうなぎ屋が、江戸の有名人に相談したところ、丑の日だから”う”のつくものが縁起が良いということで「本日土用の丑の日」と書いた看板をお店の前に置かせたそうです。
その看板がきっかけとなり、そのうなぎ屋は大繁盛。
その様子を見た他のうなぎ屋も真似をするようになり、「土用の丑の日」が風習となったそうです。
ちなみに、「土用の丑の日」という看板を考えた有名人とは、江戸時代に学問や発明で名を馳せた平賀源内。
蘭学者やエレキテルの復元などでも有名ですが、この「土用の丑の日」というキャッチコピーを生み出したことで、コピーライターの元祖ともいわれているそうです。
土用の丑の日にあんころ餅?
夏の猛暑を乗り切るために、土用の丑の日にはうなぎのほかにも身体に良いとされる食事をとる「食い養生(しょく ようじょう)」という習わしがあります。
これは、土用の丑の日にちなみ、名前に「う」のつく栄養価の高いものを食べて精をつけ、無病息災を祈願するものなのです。
この食い養生で食べられていたものの中に、土用餅と呼ばれるあんころ餅がありました。
当時、宮中では夏負けをしないようにガガイモという滋養強壮の薬にもなる植物の葉を煮出した汁で作った餅をお味噌汁に入れて土用の入りに食べていました。
江戸時代になると、お味噌汁に入れて食べていたお餅が小豆のあんこで包んだあんころ餅へと変わっていったそうです。
またこのあんころ餅以外にも、土用に産み落とされた土用卵、土用シジミ、うどん、瓜、梅干しなどが食べられています。
土用に土いじりは不幸になる?
土用の時期は年に4回あると先述しましたが、これはまさに季節の変わり目。
心身共に不安定になりやすいことはもちろん、土用の期間には「土の気」が満ちるといわれており、「破壊と再生」の作用が強くなるために心穏やかに過ごす時期なのです。
それゆえに、土に関することを避けるべきだと言われており、昔の人は、土用の期間には農作業を休んでいたそうです。
また、土用に土いじりをしてはいけない理由として、土を司る陰陽道の土公神(どくじん)という神様が土用の期間に土を支配するため、その間は土いじりをしてはいけないと言われているのです。
まとめ
土用の丑の日を土曜の牛の日だなんて思っていた方も、少なからずいたのではないでしょうか?
暑い夏にうなぎを食べるという風習が理にかなっているものの、うなぎ屋さんのキャッチコピーだったなんて以外ですよね!
今年の土用の丑の日はうなぎを食べて、元気に夏を乗り越えましょう!
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