寒い季節は、“こたつ”が恋しくなります。
こたつに入って、みかんを食べて、うとうとしたので、ちょっと横になったら、気持ちよくなり、そのまま熟睡。
と言うような経験をお持ちの方も、けっこう多いのではないでしょうか?
暖房器具を出すのにふさわしい日があるのをご存じですか? 旧暦の亥の月、亥の日、亥の子の日が、「こたつ開き」といわれる日にあたります。
暖房器具は亥の子の日に出すと良い?コタツ開きや亥の子餅を食べるなど、
今回はこの“こたつ”にまつわるお話をご紹介します。
暖房器具は亥の子の日に出すと良い理由は?
立冬(11月7日頃)を迎えると、“暦の上では冬”になります。
そろそろ冬の準備をしないといけませんが、暖房器具をいつ出すか迷います。
そこで、目安になるのが、「亥の子の日」です。
「亥の子の日」には、「こたつ開き」をしていたことから、「亥の子の日」に暖房器具を出すと良いと言われています。
この日にこたつ、ヒーター、ストーブなどの暖房器具を出すと縁起も良くて安心。
昔ながらの知恵と言えるでしょう。
亥の子の日にコタツ開きの理由は?
昔から「亥の子の日」に火を入れると火事にならないと言われており、「こたつ開き」をする習わしがあります。
「亥」は陰陽五行説で火を制する水に当たるため、亥の月、亥の日から火を使い始めると火事にならないとされていました。
そこで、「亥の子の日」に、こたつや囲炉裏などに火を入れるようになり、「こたつ開き」と呼ばれて親しまれました。
「亥の子餅」とは?
「亥の子の日」は“亥”が重なるので、「玄猪(げんちょ)」とも呼ばれ、多産のイノシシにあやかり、
亥の子(猪の子)に見立てた「亥の子餅」(=「玄猪」)を食べ、無病息災や子孫繁栄を祈願します。
この風習は、古代中国で「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べれば無病息災となる」といわたことに由来し、
新米に大豆・小豆・ささげ・ごま・栗・柿・糖(あめ)の七種の粉を混ぜて作った餅で、
亥の子の色や形を真似て作られ、「亥の子餅」と呼ばれるようになりました。
亥の子の行事がある?
「亥の子祭」では、子供達が藁を束ねた藁鉄砲か、何本もの荒縄で縛った丸石を持って、
グループになって家々を訪ねます。
そして、藁鉄砲で地面を叩いたり、丸石で地面をついたりする「亥の子づき」を行います。
これは、土地の邪霊を鎮め、土地の神に力を与えて、豊かな収穫を祈るというおまじないだとされています。
地面を叩いたりついたりするときに、唱えごとをする風習がありますが、地域によってその内容は様々だと言われています。
尚、「亥の子祭」は西日本を中心に行われており、東日本で行われる同様の行事には、旧暦10月10日「十日夜(とうかんや)」の行事があります。
“亥”は陰陽五行説では“水”にあたり、火災を逃れるとされるため、
「亥の月の亥の日から日を使い始めると安全」といわれることから、
「茶の湯」でも、「亥の子の日」に、夏向けの“風炉”をしまい、“炉”に切り替える「炉開き」を行います。
「炉開き」は“茶人の正月”ともいわれ、初夏に摘んで寝かせておいた「新茶」を始めて使う「口切り」をして、「亥の子餅」をいただくそうです。
まとめ
こたつは室町時代から、私達、日本人が愛用していた暖房器具だったと言います。
最近では、一人暮らしの人用に、一人こたつが販売されたり、こたつを置くスペースが無いからと、
リビングテーブルをこたつにすることができたりと、時代の流れで新しいこたつが登場しています。
ところが、TVのコマーシャルでは、一般住宅の全館暖冷房なんてものが流れていますが、やはり冬のこたつに勝るものなし!です。
コメント