不良や悪い行為をしている人間を指して「グレている」や「あの子は半グレだから」といった表現をすることがあります。
日本では昔からテレビドラマや漫画、映画などで不良をメインに描いた作品が生み出されてきましたが、
人によっては彼らに対して危うい魅力を感じる人もいるかもしれません。
ところで、この「グレる」という表現ですが、どうしてこのような言葉になっているのか知っている方はいるでしょうか。
実はこれは貝の「ハマグリ」に由来していると言われています。
今回はそんな「グレる」「半グレ」についてご紹介していくので、ぜひ興味を持って読んでみてくださいね。
1・不良(グレる)の意味は?
まずは、「不良(グレる)」の意味について改めて述べておこうと思います。
国語辞典に乗っている意味は「すねるたりふてくされてして投げやりになる」といったものが多いです。
もともとは古くからドラマや漫画でも描かれている通り「家出する」ことを表していたのですが、
これはどうしてかと言うと、「やさぐれ」が元となっているという説が一般的になっています。
「やさ」というのは「鞘(さや)」であり、反転語にすると刀が収まる筒ということは自分の収まるところであり、
つまりそれは自分の家という意味になるのです。
一方、「ぐれ」は「外れる」という意味であるため、「やさぐれ=家から外れる」ということで「家出する」となりました。
さらに、「やさぐれ」から「ぐれる」という部分が派生し、「グレる」が不良になるという意味になった結果、今の言葉が誕生しました。
2・半グレの意味は?
「半グレ(はんぐれ)」というのは「グレる」と比べるともう少し具体的な言葉になります。
一般的には暴力的な組織に所属せずに犯罪行為に及ぶ集団といった、いわゆる「グレーゾーン」という意味です。
半グレ集団といった表現を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
語源としては「グレる」からとったグレと「愚連隊」のグレという説や、
既述したように黒と白の中間にあたる灰色のグレー、「グレーゾーン」のグレであるとする説など様々なものがあります。
暴力的な集団について専門的な知識を持つジャーナリストの溝口敦さんが言い始めたとも言われていますね。
3.ハマグリが起源とは?
「グレる」「半グレ」についての意味と有名な語源についてご紹介してきましたが、
実は「グレる」が貝の「ハマグリ」からきているとする説もあります。
食い違いあうことや当てが外れるといった意味で「グリハマ」や「グレハマ」などの言葉が存在しますが、
これは貝の殻が食い違って合わない時の造語からきており、
ハマグリを逆さにするとグリハマとなるためこうした言い方をするそうです。
「グリハマ」が次第に「グレハマ」になり、さらに「グレ」と略され始めました。
さらに「ぐれ」が動詞として使われるようになり、少年や青年が反抗的な行動をすることに対して「グレる」と表すようになったのです。
ちなみに、ハマグリの語源としては、浜に打ち上げられた貝が栗に似ていたことから「浜栗」「ハマグリ」とつけられました。
江戸末期から上演されていた歌舞伎『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』の中には「それから、
島で窮屈な勤めが嫌さにぐれ始め」という台詞があり、少なくともこの頃には話し言葉として使われていたようです。
まとめ
今回は「グレる」「半グレ」について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
普段から使っている言葉の意味は知っていても、その由来というのは意外と知らないものも多かったりしますよね。
諸説ある中で面白い由来を見つけると日本語の奥深さを知ることができるので、ぜひ自分でも調べてみてください。
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