風薫る(かぜかおる)5月。
5月、6月は、初夏の若葉や青葉の香りを含んだ、穏やかな風の季節です。
俳句の世界で言えば、「薫風(くんぷう)」、「風薫る(かぜかおる)」 みんな、夏に吹きわたる風をほめたたえた季語です。
5月初夏の風は、さわやかな香りを含んでいるような気がしませんか?
ということで、5月、6月は樹木に接し精神的な癒しを求める、森林浴の効果がすごい!!そうです。 なぜなのか見てみましょう!
5月・6月は森林浴が良い理由?
5月、6月のこの時期、初夏の木々は新緑の時期をむかえて、最も成長が盛んな時期に入ります。
その結果、その木や葉っぱから、「フィトンチッド」と呼ばれる芳香を含んだ物質を、いつもよりたくさん出していると、言われています。
その理由は、この時期、木の天敵がたくさん活動するからです。
そのため、初夏の木々は“植物の天然抗菌物質=フィトンチッド”を、多く放出します。
ことわざに、「木六(きろく)竹八(たけはち)堀十郎(ほりじゅうろう)」というのがあります。
木は旧暦の6月、竹は8月に切ると腐りにくいし、土塀は乾燥した10月に塗るのが良いという、語呂合わせの言葉です。
土に根差している植物が、虫や細菌をやっつけるために自ら作り出して発散している“揮発性物質”です。
結局、森林浴効果をもたらす香りも、このフィトンチッドです。
森の中を歩くと心身が爽快になり、リラックスできるのは、植物(樹木)が発する香り「フィトンチッド」のおかげで、このような森林散策を『森林浴』といいます。
ちなみに森林浴というのは日本だけのようです。
針葉樹林と広葉樹林どちらが良い?
森林浴で、深い森の中に入って行くと思わず深呼吸し、穏やかになるのはこのフィトンチッドが満ち溢れているからです。
細菌や他の生物を撃退する働きを持つフィトンチッドですが、人間に与えてくれる恩恵は遥かに大きなものです。
人類にとっては大自然の恵みでもあり、宝ともいえるものでしょう。
読売新聞にも掲載されたそうですが、森林浴によって、次のような生理的な効果が得られたと言っています。
⦁ 緊張感(ストレス)の緩和、疲労の減少
⦁ 血圧の低下や、血液中の免疫細胞の増加
⦁ 抗がん作用を持つとされるたんぱく質の増加 などです。
ちなみに、森林浴するならば、広葉樹林よりは針葉樹林をおすすめします。
広葉樹は針葉樹に比べて木質が硬いため、フィトンチッドが含まれる「精油」の含有量が少ないためです。
実際に“シロアリ”は針葉樹を好みますので、針葉樹は「精油」を多く含みます。
森林浴に行く前の準備は?
森林浴は、樹木に接し精神的な癒しを求めるし、すぐれた森林浴の効果を手に入れることもできます。
その一方で、屋外での活動である以上、森林浴を楽しむためには、気を付けるべきことが有ります。
ここでは、行く前の準備と、森林浴のさい森の中で気を付けておくことをご紹介します。
服装の準備が大切です。
暑いときでも半そで、半ズボンなど肌が出る服装は絶対やめましょう。
虫刺されや、すり傷・かぶれなどの対策として長そで、長ズボンなど肌がかくれるものが基本です。
転んだ時にもダメージが少なく、日焼けもしません。
それと、標高差がある時は上着を用意するだけでなく、シャツの上に着るベストなどを持参するのがおすすすめです。
森の中で気を付けることは、むやみにやたら触ったり、口にしたりすることは要注意です。
漆(うるし)や、漆の仲間の樹木はさわるとかぶれます。
また、イラクサの仲間には茎や葉にトゲがあり、触ると赤くはれ激しく痛みます。
おわりに
森は、季節に応じて千差万別の変化を見せてくれます。
まったく同じことに出会えることはありません。
それがあるからこそ、森林浴の楽しみがふえるのでしょうが、その変化に対応できるように少し気を付けていることが、安心して楽しめる“コツ”なのでは!?
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