「夏に至る(いたる)」と記すように、夏至を迎えると夏がもうすぐそこまで来ています。
夏至といえば、1年のうちで最も昼が長く夜が短い日ということは知られていますが、夏至の意味などはあまり知られていないのではないでしょうか。
では夏至とはいったいどんな日なのか調べてみましょう!
夏至の意味は?
夏至は二十四節気のひとつ。
二十四節気とは1年を夏至・冬至の2等分してから春分と秋分で4等分、
さらにそこから立春・立夏・立秋・立冬の四立で区切り、15日ずつに3等分したものですが、
これらは太陽の動きに基づいて定めており、その1年の中で夏至は「夏の頂点」を意味していて、最も昼が長い日になります。
季節感のずれが感じる?
夏至を境に夏の到来・・・となるはずですが、実際にはまだまだ「夏」を感じる日は少ないようです。
なぜなら北海道を除く日本の本土では、夏至の20日前あたりから梅雨に突入しており、
7月の中旬あたりまでは断続的に雨が降る時期と重なっているのです。
要は、夏至は気象上では雨期ど真ん中。
地面が太陽光のエネルギーを吸収・放射することで地球上の気温が左右されるのですが、
梅雨の影響により日照が少なくなるため、昼の時間が1年のうちで1番長い日なのに、1番暑い日でもないのです。
ただ、夏至のころはちょうど梅雨の中休みにあたることも珍しくなく、一時的に晴天となる年もあるようですね。
夏至でゲン担ぎでタコやお餅を食べる地方は?
夏至の頃、農家では田植えの季節。
夏至から数えて11日目に始める半夏至が田植えの終わる頃になるのですが、関西地方では、この時期にタコを食べる習わしがあります。
これは稲が四方八方にしっかりと根を張るように、稲穂がタコの吸盤のように豊かな実をつけるようにという豊作の祈願が込められています。
またこの時期が旬となるタコは、タウリンと亜鉛を豊富に含んでいるため、
血圧やコレステロール値を下げたり、生活習慣病を予防する効果があるタコを食べて夏に負けない栄養を摂るためだともいわれています。
その他にも、関東地方では小麦を混ぜてついたお餅、福井県大野地方では焼きサバ、東海の三河地方では無花果に味噌をつけた田楽、讃岐地方はうどんといったように、その地方によってさまざまな風習があるようです。
タコを始め、夏至にこれらの食べ物を食べるということはゲン担ぎというだけでなく、本格的な暑さに負けないためにも非常に理にかなった習わしなのですね。
夏至祭 (ヨーロッパ)がある?
緯度の高く冬が長い北欧やヨーロッパでは、夏至を大々的にお祝いする国が多くあります。
フィンランドでは、クリスマスに次ぐ重要なイベントとされており、
悪霊を退治して、幸運と豊作をもたらすボンファイヤーと呼ばれる巨大なたき火を焚いて夏至を祝いいます。
フィンランドではこの夏至祭の日には日が沈まないので、一日中お料理を食べてお酒を飲んだり、サウナに入り湖で泳いだりもするそうです。
スウェーデンでは、ミッドサマーと呼ばれる夏至に合わせてお祭りが行われます。
スウェーデンにおいてもこの時期はとても大切にされていて、
日本でいうお盆のような位置づけでなので、ミッドサマーに合わせて休暇を取得して帰省する方も多いそうです。
そしてこのミッドサマーのお祝いに欠かせないのがメイポールと呼ばれる白樺の葉で飾った柱です。
これはドイツで行われる5月祭の柱が伝わったものとされています。
このように、ヨーロッパで盛大に祝われる夏至祭ですが、実は日本でも、
三重県鳥羽市でも夏至祭があり、沖合にある「夫婦岩」の間から昇る朝日を浴びながら、禊を行うそうです。
まとめ
夏至は、日本で田植えをする地域やヨーロッパの国々ではとても大切な日。
夏至=「昼が長い日」だけではなく、そこには様々な願いが込められていたのですね。
夏至を迎えると夏はもうすぐ。
今年の夏至は、あなたの地域の風習を取り入れた一日を過ごしてみてはいかがでしょうか?
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