日常会話やビジネスのシーンにおいて使用される
「釘をさす」という言葉について、意味をよく知らず恐ろしいと感じている人がいるのではないでしょうか。
この「釘をさす」というのは使い方を知ると非常に使い勝手のいい言葉なので、ぜひ正しい意味と使い方を知っていて欲しい日本語です。
そういうわけで、今回は「釘をさす」についてその意味と由来、そして簡単な使い方について詳しく解説していきたいと思います。
使いこなすことができれば周囲の人達から立派な大人として見られることもあるかもしれませんので、興味を持って読んでみてくださいね。
1・相手に釘をさすの意味は?
まずは「釘をさす」の意味について説明していこうと思います。
「釘をさす」というのは辞書的な意味でいうところの「後で間違いや問題が起こらないようにするために、さきに相手に対して念押しや注意・警告をしておく」ことです。
なにか問題が怒ってしまった時に言い訳として聞いていなかった、忘れていた、
知らなかったというフレーズを聞くことはよくありますが、それらを封じ込めるためのものということになります。
ちなみに、「釘をさす」を言う対象となるのは間違いや問題を起こしそうな相手や第三者ですが、自分が言われる立場になることもあり、
そういう場合は「釘をさされる」となるわけですね。
失敗や間違いを指摘されることを恥ずかしいと思う気持ちは誰にでもあるものですが、
そういった時に言い訳ばかりしていると人から釘をさされてしまうので自身の行いにも注意しましょう。
2・相手に釘をさすの語源は?
「釘をさす」を文字通りに捉えると少し狂気的な感じがしますが、その由来は日本の伝統的な木造建築からきています。
日本には昔から「木組み」と言われる釘などの金具を使わずに家を造る技術が継承されてきました。
木材に切り込みを入れたり、「ほぞ(木に作られた穴)」をつくったりすることによって木材同士をつなぎ合わせるのです。
コンクリートや鉄などが主流ではなかった時代ではこうした木造建築の「木組み」工法が基本であり、
それが鎌倉時代に建物の強度を上げるために釘が用いられるようになったことから、
その後の江戸時代から後で問題が起こらないように注意することを「釘をさす」と言い表すことになりました。
家が壊れるほどの問題を起こしたら弁償では済みませんし、なにより人命にかかわってきます。
そんな事態にならないための対応をしておくのは当然ですよね。
3・「念を押す」と同じ意味なの?
この「釘をさす」について意味と由来を説明してきましたが、似た意味の言葉として「念を押す」というものがあります。
「かさねて注意する。または確かめる」という意味からして、こちらも「釘をさす」と同じように警告や注意を表す言葉ですのでほぼ同じ意味と言えますね。
これ以外にも「肝に銘じる」「警鐘を鳴らす」「苦言を呈する」などは似たような意味合いを持ち、類語としてよく挙げられる言葉です。
「肝に銘じる」は「忘れないようにそれが大切であると強く意識する」こと、
「警鐘を鳴らす」は「釘をさす」と同様に「注意、警告」といった意味持っています。
「苦言を呈する」は「注意をする」という意味で「釘をさす」と同じように思えますが、
「釘をさす」よりは厳しく注意するニュアンスが強いため、非難批判といった用途で用いられることが多いようです。
まとめ
ここまで「釘をさす」についてその意味や似た言葉について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
「釘をさす」というのは、ビジネスシーンでも良く用いられる表現なので、使い方や使う対象を間違えてしまうと公の場で恥をかいたり、
取り返しのつかない間違いを犯してしまったりするかもしれません。
もちろん自分が言うだけでなく、相手から言われることも考えられますので、使うべきタイミングと使うべき人を慎重に見極めて使用してくださいね。
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