梅雨の季節になると、どこからともなく姿を現すカタツムリ。
幼い頃から目にする機会は多いものの、カタツムリの生態って謎だらけ。
軟体動物なの?貝類なの?カタツムリの生態を詳しく調べてみました!
カタツムリの謎
・貝類に属す?
カタツムリは、生物学上で「腹足網」という分類に属しています。
腹足網とは、軟体動物に属する分類の名称なのですが、この腹足網の種の大部分がらせん状の殻をもっています。
らせん状の殻・・・これはつまり巻貝の仲間であるということを指しています。
巻貝といえば、サザエやタニシなど水にいる巻貝思い浮かべませんか?
実はカタツムリもその仲間だったなんて・・・?
ちなみに、よくカタツムリとよく似ているナメクジもやはり同じく巻貝の仲間。
陸に生息する巻貝の中でも、殻が退化したものの総称がナメクジと呼ばれているそうです。
・カタツムリの歌
「でんでんむしむしかたつむり~」のあとの、角出せ、槍出せ、頭出せ
馴染みのある歌詞なので違和感がない方も多いと思いますが、この歌の冒頭にある「でんでん」というフレーズ。
これっていったいどんな意味があるのでしょうか?
それは殻に閉じこもってしまったカタツムリに対して「出ろ出ろ」とはやし立てたのが「でんでん」に変化したという説があるそうです。
ではその後に続く歌詞についても解説していきましょう。
・カタツムリの角(ツノ)4本ある?
カタツムリの歌に出てくる「角(ツノ)」とはどこでしょう?
それはもちろん頭部にぴょこんと2本飛び出しているところなのですが、答えはそれだけではないのです。
前述した2本の角は「大触角」といい、そしてこの先端に丸い目がついています。
この触角に触れたことがある方なら、カタツムリがどういった反応をするかおわかりかと思いますが、にょろにょろと触角を引っ込めますよね。
そして、先端の目は、明るさと暗さを感じるだけではっきりと見えているわけではないので物体にこの大触角が触れたときに初めて障害物があるのだと認識するようです。
そして、驚くことにカタツムリにはもう2本の角、「小触角」があります。
その名のとおり大触角と比べると小さな角なので見落としがちですが、口の近くにあり、味覚や臭覚を感じとる機能を果たしています。
・カタツムリの槍(ヤリ)だせとは?
続いては、槍(ヤリ)ですが、これが実在するのか最も気になるところ。実際には槍はあって、頭の下にある「恋矢(レンシ)」と呼ばれる白い槍状の器官を言います。
普段は隠れているのですが、交尾中に出てきて相手を刺して刺激をしているとか。
ちなみにこの槍は交尾が終わると捨てられてしまうそうです。
・カタツムリには歯がある?
カタツムリに歯があることはご存知でしたか?
人間などの歯とは異なり、口の中には無数の歯が並んで生えています。
口の上側はがん板とよばれるかたいたんぱく質でできたくし状になっており、舌の上にはやすり状の小さな歯が並んでいます。
その数はなんと2万本とも言われていて、おろし金のようにして食べ物の表面を削り取って食べているのです。
フランス料理の高級食材『エスカルゴ』
日本では、エスカルゴといえばフランス料理を思い浮かべますが、フランス語でエスカルゴとはカタツムリを差しています。
フランスで食用として調理されているのは、主に「リンゴマイマイ」、「プティ・グリ」・「グロ・グリ」の3種。
このなかでも歴史のあるリンゴマイマイは、フランス語でエスカルゴ・ド・ブルゴーニュと呼ばれているのですが、このエスカルゴ料理はワインで有名なブルゴーニュの郷土料理なのです。
とはいえ、リンゴマイマイは希少なため、一般的に食べられているのは養殖が可能なプティ・グリやグロ・グリが多いようですね。
日本でもカタツムリを食べる?
では、日本で目にするカタツムリも食べられるのでしょうか?
その答えはNO。
カタツムリにはネズミに寄生している「広東住血線虫」という寄生虫がいるのです。
もし広東住血線虫が体に入り込んでしまうと、この寄生虫が脳の中枢神経に移動してそこで成虫になるそうです。
そうなってしまうと脳にダメージを与えたり、最悪のケースは死に至ることもあるとか・・・。
完全に火を通せばこの広東住血線虫は死滅するといわれていますが、衛生面からみても、食べることは避けるべきでしょう。
まとめ
子どもの頃から馴染みのあるカタツムリですが、構造や生態を知ると興味がわいてきませんか?
これから梅雨を迎えるこの時期にはたくさんのカタツムリを目にすることがあるでしょう。
その時は、この記事を思い出して新たな一面を観察してみてくださいね。
ただし、寄生虫が寄生している可能性があるのでむやみに触らないようにご注意を!
コメント