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12月の雑学!正月飾りの鏡餅・門松・しめ縄はいつから飾る?

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12月に入った頃から、なんだかバタバタと気忙しい日々を過ごしているという方もいらっしゃることでしょう。

「もういくつ寝るとお正月~」という歌があるように、いよいよお正月の準備をする日も近くなってきました。

12月13日の正月事始めの「煤払い」から由来した大掃除をした後は、いよいよ正月飾りの準備を始めるご家庭や企業も多いことでしょう。

ところで、正月飾りの鏡餅や門松、しめ縄はいつから飾ればよいのでしょうか?

正月とは?

鏡餅

お正月は暦の上では1月のことで、1月1日(元日・祝日)を含めた三が日(1月1日~3日)には、正月飾りをし、お雑煮やおせち料理を食べるなど盛大にお祝いします。

これは元旦(元日の朝)にお迎えしている年神様に、多くの福(五穀豊穣、家内安全と健康など)を授けてくださるように、大切な神様をもてなす気持ちでお正月の行事や風習が生まれました。

もともとはお盆と同じように、お正月も祖先の霊をお迎えし、慰霊するという行事でした。

しかし今では、旧年が過ごせたことを感謝し、今年も無事に過ごせるようにと願いながら新年をお祝いする行事として変わっていきました。

お正月の期間ですが「松の内」までといわれています。

この「松の内」という期間は、地方によって違いがあるというのをご存知でしょうか?

もともと松の内は、1月15日までといわれていました。

現在も関西などの地域では、1月15日を「松の内」としている地域があります。

ところが江戸時代に、江戸では明暦の大火(めいれきのたいか、明暦3年1月18日~20日(旧暦)、

別名「振袖火事」)という江戸時代で最大といわれる火事が起こりました。

この火事では、天守閣を含む江戸城、大名屋敷、市街地など、その大半が焼失し、犠牲者は数万人となったと伝えられています。

これ以降、江戸城では天守閣を再建されることはありませんでした。

この惨事が起きた後の寛文2年(1662年)1月6日(旧暦)には、江戸幕府よる通達により、

1月7日をもって正月飾り納めをするように、関東を中心に発せられました。

このことから関東周辺では、1月7日が松の内とされたようです。

なお、地域によっては10日、11日などが松の内となっているところもあります。

正月飾りの鏡餅・門松・しめ縄はいつから飾る?

正月飾りとなる鏡餅や門松、しめ縄などはいつから飾ったらいいのでしょうか。

門松としめ縄飾りは12月13日の「事始め」からお正月になる「松の内」までがよいとされています。

ただし、12月29日は「苦しみが二重になる」といわれて縁起が良くないとされていますので避けたほうがよいでしょう。

また、門松やしめ縄飾り12月31日に飾ると「一夜飾り」となり、年神様に対して失礼であるといわれているので、これも避けたほうがよいようです。

けれど、クリスマスの飾りをするというご家庭もあることでしょう。

こういった場合は、25日が終わったら正月飾りをされるほうがよいようです。

とくに鏡餅は、食品ということもありますのが「8」は末広がりで縁起がよいとされていますので、28日に飾るとよいでしょう。

鏡餅の意味は?

お正月飾りの一つに鏡餅があります。

鏡餅は年神様の依り代(神霊が依りつく対象物)とされてきました。

現在も、お正月に限らず鏡餅は神事にもちいられています。

鏡餅の名称である、鏡(丸い青銅製)は神器の一つとして太古から使用されてきました。

鏡に模した鏡餅が丸いのは、「御魂(みたま)」をあらわしたからだといわれています。

大小の丸餅は太陽と月、陽と陰が表現され、円満に年を重ねる、夫婦和合などの意味が込められています。

平安時代中期の宮中では、お正月元旦から三日にかけて「歯固めの儀」というものが執り行われていました。

これは、歯ごたえのあるものを噛むことで健康長寿を祈る儀式であったようです。

高杯の四隅に松葉を飾り、鏡餅や大根、瓜、押鮎などを天皇に上納するのですが、

実際に天皇はお箸をつけたことで食べたこととし、召し上がることはなかったようです。

この「歯固め儀」がお正月の行事として慣例化となり、やがて庶民にも伝わりお正月飾りに鏡餅が用いられるようになりました。

鏡餅をお供えすることで、年神様の御魂が宿る依り代となり、

やがて年神様のその年の五穀豊穣や家内安全、健康などの福がある鏡餅を家長がおろし、

開いて食べることで福を頂戴することに意義があるといわれるようになりました。

また正月飾りの鏡餅には、天皇がお持ちになる三種の神器があらわされており、縁起がよいとされています。

橙が八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を、串柿は天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ=熱田神宮の神体)、そして鏡餅が八咫鏡(やたのかがみ)を表現しているといわれています。

門松・しめ縄の意味は?

お正月にむけて飾られている門松やしめ縄をみると、お正月の気分も高まっていくことでしょう。

ところで、門松やしめ縄にはどんな意味があるのでしょうか。

家の玄関前や門の辺りに飾られている門松に使われている松の木には、古来より神様が宿る木だとされていました。

この門松は、年神様が迷わないように案内するための目印としての役割があります。

古くは一本松が飾られていたそうですが、やがて左右一対の雄松と雌松が飾られるようになりました。

この門松を飾る期間が「松の内」までとされています。

 

年神様に限らず神様は、不浄な汚れを嫌われるといわれてきました。

ですからお正月を迎える前に、昔から「煤払い=大掃除」という行事があります。

しめ縄(注連縄)には、年神様にふさわしく、不浄なものがない、神聖な場所をしめす役割がありました。

このしめ縄があることで、年神様は安心して我が家にお越し頂けるとされてきました。

神話にもしめ縄が登場します。

須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴に怒った天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)におかくれになってしまいました。

それにより、さまざまな困りごとが起こったことで神々がさまざまな努力をします。

ついに、天照大御神が天岩戸を少し開けたところを引っ張って外へでて頂いた際に、

布刀玉命(ふとだまのみこと)が二度と天照大御神が天岩戸に戻らないように岩戸の入口に

「しりくめ縄=しめ縄」を張って戻れないようにしたといわれています。

太古の昔より、しめ縄は神が立ち入る境界線のような役割がありました。

神棚によく見かける、ごぼうの形をした「ごぼう注連」は、

お正月用は「左綯い(ひだりない)」といって左になじられたものが飾られます。

普段のしめ縄は「右綯い(みぎない)」といって右にねじられていますので、お正月のしめ縄飾りは特別なものだといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

なんとなく鏡餅や門松、しめ縄などのお正月飾りをされていた方もいらっしゃることでしょうが、

それぞれに意味や役割があるのを理解して頂けたことでしょう。

事始めの12月13日から始めたらよいとされる正月飾りも、クリスマスを過ぎてから飾るご家庭も多くなったのではないでしょうか。

「松の内」がさまざまな出来事で変化してきたように、私たちの生活もさらに変わってきています。

けれどご先祖様を敬い、年神様に福を頂戴することに感謝する「お正月」という文化は、

ご家庭や地域の差はあっても、私たちの大切な文化として活き続けることでしょう。

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