就活前にはほとんどの方が「インターンシップ」に参加されるのではないでしょうか。
もちろんインターンシップは選考と直結するものではなく、参加も自由ですが、
OB・OGに直接話を聞ける貴重な機会ですし、企業説明会だけではわからなかった現場の雰囲気を知ることができる体験でもあります。
就活の際にはエントリーシートや企業選びの理由として記入することができるので、大きなアピールにもなるため、参加して損をすることはありません。
しかし、これから就活をするという人、そろそろ本格的に将来を考えなければならない人にとって、
インターンシップという言葉を聞いたことはあっても、具体的にどんなことをするのかイメージできないことも多いですよね。
周囲の人が参加しているからではなく、しっかりとした参加のメリットを知りたい方もいるでしょう。
そんな方々のために、今回はインターンシップについて、詳しくご紹介していこうと思います。
参加したほうが有利なのか、どのくらいの期間参加するのか、給料は出るのかなど、
気になるポイントと注意点などを記述しますので、ぜひインターンシップについての知識をつけて就活に役立ててくださいね。
インターシップとは?
インターンシップとは、簡単に言うと社会に出る前の就業体験です。
日本の就活では大学3年生の夏から冬に行われることがほとんどで、多くの学生が参加しています。
具体的に何をするかというと、細かい部分は企業ごとに異なりますが、
主に実際の仕事をしている人から直接話を聞いたり、仕事を体験してみたりすることで、
その業界の仕事や役割、それぞれの企業における仕事内容の違い、さらに働いている人たちの雰囲気や企業風土の違いを知ることができるのです。
大きな会場を借りて、複数の企業が集まった会社説明会やOB・OG訪問などもありますが、
そこで説明を聞くよりも、実際の仕事について自身の目で見極めることができるので、
大学のキャリアセンターは生徒に対して積極的に参加することを勧めるわけですね。
あくまで体験や就活の参考としてのインターンシップなので、人によっては4社や5社、
さらにそれ以上の企業に申し込み、色々な体験をさせてもらうこともあります。
ここで、仕事を体験することに関してアルバイトと同じように感じた人もいるのではないでしょうか。
しかし、アルバイトというのは募集がある職種に限られるほか、
働いている人の大半は労働と時間の対価として収入を得ることが目的であるのに対して、
インターンシップは仕事の内容を理解し、自身の適正について考えることが目的になります。
企業の企画に参加させていただく側なので、その多くは給料が出ないことが多い仕組みです。
大学で就職に直接結びつくような勉強をしている人は別として、大学3年生になって急に社会人としての心構えをして、
自分が最も活躍できる職種を選択するというのは難しいもの。
インターンシップに参加することによって、社会でのルールやマナー、
その業種や職種における仕事内容の理解、そして自分がどんな業界に向いているのかについて理解を深めることができるのです。
あくまでも学業優先のため、勉強を疎かにすることなく参加できる点も特徴になります。
また、仕事の雰囲気を知ると言っても具体的にどんな作業をするのか気になりますよね。
プログラムの内容はとしては多種多様ですが、大きくは職場体験型をビジネスプランコンテスト型の2つのタイプがあると言われています。
職場体験型は実際に仕事の現場に同行して業務を体験したり、ロールプレーイングといった仕事のシミュレーションをしたりするものです。
ビジネスプランコンテスト型は、そういった見学のようなことではなく、
実際に他の参加者とのグループワークを行うことで、企画の立案や課題解決のプレゼンテーションをするものになります。
インターンシップの内容として最も多いのはやはり後者にあるグループワークであり、次いで企業の人事担当者や社員のレクチャーです。
どちらの場合も、事前に業界全体や会社の業務内容について、講義や見学の時間が設けられていることが多いため、体験内容にそれほど差はありません。
インターンシップの期間は?
インターンシップの参加期間は3種類に分けられます。
中でも最も多いのが1日のみの体験となる「1dayインターンシップ」と呼ばれるものです。
短期間のインターンシップのなかでも一番短期間であり、その多くは、
企業説明や2~3時間程度のグループプログラム、そして社員や社長との対話によって構成されています。
業界や企業について気軽に知りたい就活生や短期間でたくさんの企業を見てみたい人にとってはとても便利で、
様々な業界・職種から絞りこみたい時に役立つでしょう。
逆に本腰を入れて仕事内容を把握したい場合や日々の社内の雰囲気を知りたい場合には適さないかもしれませんね。
そして、次に多いのが「短期インターンシップ」になります。
これは約1週間から1ヶ月程度参加するもので短いと2、3日のプログラムで終わるところもあります。
こちらはある意味インターンシップと聞いて主に思い浮かべるものではないでしょうか。
学校の長期休みを利用して参加する場合が多く、夏休みに参加するならサマーインターンシップ、
冬休みに参加するならウィンターインターンシップと呼ばれ、多くの学生が参加しています。
内容は企業の理念を紹介されたり、具体的な仕事内容について説明を受けるほか、
5名程度の参加者同士でグループワークを行ったりすることがほとんどです。
さらにこの短期インターンシップではそのまま選考につながっているケースも存在しており、
グループワークでの貢献度や内容によって本採用に影響したり、就職試験の一部が免除になったりする可能性も十分あります。
もし就職したい企業や業界が既に決まっているのであれば、
短期のインターンシップに参加しておくと今の内からチャンスの種をまいておくことができるのです。
なかには、学年不問で参加者を募集している企業もあるため、1年生のうちから調べておくという手もあります。
ちなみに短期インターンシップでは、給与が支払われることもあるので、就職に役立つ上にお金までもらえるなんて嬉しい仕組みですよね。
ぜひ募集要項の欄を詳しく調べてみてください。
そして、残る種類となったのが「長期インターンシップ」になります。
こちらは最低1か月から、長くて4年ほどという長期スパンでの企業への参加が特徴です。
長期間にわたるため、多くの場合は給与が支払われ、参加者は実際の現場で働きながら経験を積み、
インターンシップが終わる頃には即戦力となる能力を獲得することが可能となります。
学校を卒業したすぐ後から活躍したい人や、企業を目指す人、
就職のための技術を学ぶために大学に通っている人など、様々な視点から近年注目を集めているインターンシップなのです。
募集されている職種も多様なものがあるため、自身の体験として実際の業務を行うことで、より具体的に職種や業種を知ることができます。
もちろん人によって合う合わないがありますので、長期インターンシップを利用したからと言って、
その業種に就かなければいけないわけではありません。
あくまでも自分に合った仕事かどうかを判断する助けとなるものですが、
就職活動で他の人よりは有利になったり、参加した企業から直接内定をもらえたりする可能性もあるため、決して無駄な活動にはならないと言えるでしょう。
このように、インターンシップの期間は「1dayインターンシップ」「短期インターンシップ」「長期インターンシップ」の3種類があるため、
自分の目的や予定に応じて選ぶことが大切です。
短期や長期でどちらが有利というわけではなく、自分にあったほうを選ぶことが大事ですので、
制度や企業の情報などをよく調べて、将来的な見通しを立ててみてください。
企業がインターンシップを実施する時期は?
インターンシップは最短で半日から長期では1年とさまざまな期間で実施されます。
そのため、参加時期において、多くの場合は大学の休みに合わせて8月に実施され、
次いで1月、2月と春ごろにギリギリで参加する人もいるのです。
ここで注意して欲しいのは、開催時期と申し込みの時期は違うということ。
これを意識したことがないという人は時期を逃してインターンシップに参加できなくなってしまう可能性もあるので、
ここで正しい知識をつけておいてください。
インターンシップは長期休暇中に実施されるものですが、その申し込みは短期のインターンシップでおおよそ1か月ほど前から始まります。
つまり、夏休みや冬休みに入ってようやくインターンシップに参加しようと思ってもその時には既に定員に達していたり、
申し込み自体ができなかったりするのです。
長期インターンシップの場合も随時申し込みを受け付けることがあるので、企業のHPなどをよく見ておく必要があります。
そのため、学生が8月のインターンシップに向けて動き出すとしたら6月から7月がちょうどいい時期となるでしょう。
もちろん申し込みをすれば誰でも参加できるかと言ったらそうではなく、
書類選考となる一次申し込みから、面接や簡単な試験を受ける二次申し込みに受かってようやく参加できるところもあるので、
予定はしっかりと把握しておくと安心です。
ただ、急な欠員が出た時などに急遽募集がかかることが多いため、
選考に落ちたからと言って簡単に諦めると自らチャンスを捨ててしまうことにもなりがちですので、こまめなリサーチが必要になってきます。
インターンシップがあるか調べる?
ここまでインターンシップそのものについてご紹介してきましたが、
具体的にはどうやってインターンシップについて調べていけばいいのかわからない人もいると思います。
就活生がインターンシップに申し込みする方法や多くの企業の情報を見る手段としては、
やはり大手情報サイト「リクナビ」やそのほかの情報サイトを探すということが多く、
その他だと学校のキャリアセンターが主な窓口です。
インターンシップで企業が受け入れる人数に関しては限りがあり、面接や書類審査だけでなく、
なかには適性試験や筆記試験を行うところもあるため、調査の際は出来るだけ多くの情報を集めるようにしましょう。
なお、エントリーシートの提出を求められる場合も多く、事前に準備しておくと安心です。
とはいえ、エントリーシートを書いたことがない場合には何をどうやって書けばいいのか分からないことがたくさんあると思います。
「志望動機」や「自己PR」は履歴書と似た質問ですが、「インターンシップで学びたいこと」
「学生時代に力を入れて取り組んだこと」などのエントリーシートならではの項目が設けられていることがほとんどであり、作成には時間がかかるものです。
大学のキャリアセンターでアドバイスをもらうなど、自身で工夫することも大切になってきます。
また、インターンシップに参加しようと思っても、倍率や選考を通過できるか気になって申し込みをためらってしまうこともありますよね。
そんな時は、選考のないインターンシップを選ぶことや気になるインターンシップの選考に関する情報を調べるなど、まずは行動してみることが大事です。
もし自身の興味がある業界や企業が決まっているなら、その分野の中で探してみるというのも応募理由として十分なので、いいと思います。
気になっている企業がインターンシップを実施していなかったり、
募集時期が既に終わっていたりといった時には、業界の中で広く探してみるのもよいでしょう。
ただ、どうしても興味のある業界や企業が見つからない人も大勢います。
そういった人たちは自分のスケジュールにあった実施期間で選ぶのも1つの方法です。
参加可能な時期であり、短期や長期など期間が合うものを探していき、参加してみると新しい発見ができるかもしれません。
さらに興味のあるなしに関わらず、インターンシップを通じて体験したいことを模索してみると自身にあったプログラム内容を実施している企業が見つかります。
職場体験やグループワーク、企画立案など、やりたいと思うものを探しましょう。
ちなみに、インターンシップに参加する際は、受け入れてくれる企業への感謝の気持ちと正しいマナーが必要になってきます。
企業の人事担当者はインターンシップに参加する学生の言葉遣いや挨拶といった基本的なことを厳しくチェックしているので、
本当に就職したい企業に出向く際は目を付けられないようにしたいものです。
そのため、正しい敬語や元気のいい挨拶は普段から心がけておくと、とっさに話しかけられてもボロがでないので実践してみると良いと思います。
時には参加する際に、担当者とメールでやりとりをする場面も出てくることがありますが、
友人とのSNSなどとは違い、一言で返すこともスタンプを送ることもできません。
会話と同じように、メールにもビジネスマナーが必要なのです。
件名や宛名、本文の書き方など基本の型を学んでおき、相手に失礼のないようにしましょう。
もし送る際に不安な場合は、インターネットや文献などを参照したうえで、身近な大人に見せてから送ると安心してやりとりすることができます。
インターンシップには基本的にスーツで参加するという人がほとんどですが、
受け入れ先の企業の雰囲気やインターンシップのプログラム内容によって適切な服装というのはスーツに限りません。
大体の企業はインターンシップの服装や必要な持ち物など、聞いたら親切に教えてくれますが、
先輩たちの経験や生の声を元にして自身でも情報を集めておくことが大切です。
なお、インターンシップ中に役立つ持ち物としては筆記用具やノート、腕時計などがあります。
まとめ
就活を始めるにあたって、インターンシップというのは大切な社会経験になります。
もし1つの企業に参加してスケジュールに余裕があったら、別のインターンシップも経験してみるとまた新たな発見と経験を得られることでしょう。
自身の興味のある分野や身近な業界だけでなく、思い切って全く触れたことのない種類のインターンシップに参加してみることもおすすめです。
そうすることで、今までノーマークだった会社や、興味がなかった業界、これまで知らなかった規模の会社など、別の視点を取り入れることができます。
学生のうちには知らなくとも、実は実力のある企業は世の中にたくさんあるため、
色々な業界を見ることで自身が会社や業種に興味を持っている理由を明確化できるのです。
もちろん、興味を持った業界のインターンシップに参加して、
その企業の仕事の進め方や雰囲気の違いを実感することも大切なので、「しなければならない」ではなく、
「したい」と考えるようにすると、就活にも意欲的に取り組むことができるかもしれません。
ぜひこの記事を参考に、行動を起こしてみてください。
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