落花生という言葉にピンとこないという方も、「ピーナッツ」といえばおわかり頂けますでしょうか?
落花生は、マメ亜科ラッカセイ属の一年草の植物です。
日本での落花生の生産量のトップは千葉県で、全国での収穫量の75%以上を誇っています
スーパーやコンビニなど、スナックあるいはお菓子などの材料として、全国的に普及している落花生ですが、なぜ落花生という名前なのでしょうか?
落花生、ピーナッツの歴史なども、みてみることにしましょう。
落花生の名前の由来は?
マメ科の植物といえば、ソラマメやインゲンマメなどのように地上で鞘(さや)ができ、
その中に種子(豆)が生育していくことを連想される方も多いことでしょう。
しかし、落花生の殻や種子は地中でできるというのが特徴なのです。
6月~8月にかけて落花生の黄色の花が咲きます。
花が落ちると、子房柄と呼ばれるものが下へと伸びていき、そのまま地中にはいって鞘が成長していき、実ができます。
つまり、花が落ちて子房柄が生えて地下にもぐることで実ができるということで、「落花生」と呼ばれるようになりました。
落花生の歴史は?
落花生の原産地ですが、南アメリカのアンデス山脈の東麓だといわれています。
これは、紀元前2500年前の遺跡(ペルーのリマ郊外)から大量の落花生の殻が出土したことによります。
日本には、中国を経緯して江戸時代初期に落花生が入ってきました。
落花生のことを「南京豆」と呼ばれるのはこのためです。
明治4年、神奈川県の寺坂啓次郎氏が中国産の落花生を横浜から取り寄せたという記録があります。
明治7年には、政府がアメリカから栽培するための落花生を購入して各地に配布したことで、本格的な栽培が始まったとされています。
18世紀以前の北アメリカでの落花生は、主に家畜あるいは黒人奴隷の食料だと考えられており、白人が食料としては食べることはありませんでした。
南北戦争(1861年~1865年)になると食料事情が悪化していきます。
このことにより、白人も落花生を食料として食するようになり、
その後「ピーナッツ」と呼ばれ、アメリカでポピュラーな食品として愛されるようになりました。
落花生とピーナッツの違いは?
落花生は、唐人豆(とうじんまめ)、異人豆(いじんまめ)、地豆(じまめ)、ピーナッツと呼ばれることもあります。
落花生のことを英語ではピーナッツ(peanut)といいますので、同じ植物です。
日本での落花生とピーナッツの呼び名の違いは、一般には殻がついたものを落花生、
ピーナッツバターや洋菓子の材料などに加工されたものをピーナッツとされています。
しかし、はっきりとした定義があるわけではありません。
このほか、植物の名称として落花生とよびます。
例外として、和菓子の材料として使う場合は、殻付きでなくとも「落花生」という名称で呼ばれています。
ピーナッツとナッツの違いは何?
ナッツとは、かたい殻や皮の中にある木の実や種で、食用できるものをいいます。
正確にいうとナッツは種実類(しゅじつるい)というものに分類されるのです。
ピーナッツは名前の後ろに「ナッツ」があるため、ナッツの仲間の印象を感じる人もいますが、ピーナッツはナッツではありません。
ピーナッツはマメ科のラッカセイ属にあたる植物の種子です。
それでは、なぜピーナッツに「ナッツ」という名称があるのでしょうか?
大部分のマメ科の植物の種子となる豆の栄養成分は炭水化物が半分以上あるのに対して、ピーナッツは脂質が半分以上含まれています。
このため栄養成分からみると、よりナッツに近いことから、ピーナッツ(pea豆nutナッツ)と英語で呼ばれたのではないかと推測できます。
まとめ
今回は落花生の名称の由来と歴史、ナッツとの違いなどをご紹介しました。
落花生は、一般のマメ科の植物と違う成長過程をたどり、種子に含まれる栄養成分も違うという変わった植物だということを理解して頂けたことでしょう。
おどろくことに、日本国内の落花生の品種は数千種類あるといわれています。
しかも、現在では手軽に買える落花生ですが実は流通されているものの全体からみて、
国内産落花生は10%しかないという貴重品だというのです。
つまり、90%近くが外国産(主に中国)ということになります。
落花生の成分は半数以上が脂質といいましたが、この脂質には「オレイン酸」という善玉コレステロールを減らすことなく、
悪玉コレステロールを減らす性質の脂質が豊富に含まれています。
落花生はビタミン豊富なうえに、おいしいので食べ過ぎたくなりますが、1日30粒ほどが摂取の目安だといわれています。
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